窓ガラスフィルムは基本の3層構造となっております。
１層目は、窓ガラスにフィルムをくっつける為の「粘着剤」が付いた粘着層で、この１層目には紫外線をカットする効果があります。
２層目は、ポリエステル素材で出来ているPETフィルムで、この２層目が基材となるため厚さや種類でフィルム自体の機能性が変わります。
また、防犯フィルムは「ポリエステルフィルム、中間接着剤層、ポリエステルフィルム、中間接着層、ポリエステルフィルムとポリエステルフィルム」のように2層目を3枚入れることで突き破りにくくします。
３層目は、耐摩耗性ハードコートでフィルムに傷が入りにくくなっているため、タオル等で簡単に拭き掃除をすることができます。
（もっと構造が多いフィルムもあります。）

窓ガラスフィルムは1968年に開発されました。
米国航空宇宙局（NASA)がスペースシャトルに使用される遮熱素材用の依頼をした事が発端であり、その開発に世界の先駆けで成功したのはアメリカのマディコ社です。
日本では1960年代の末に窓用のフィルムが使用されるようになったといわれており、当初使用されていた窓ガラスフィルムは、アルミ蒸着タイプの日照調整フィルムでした。
飛散防止フィルムの開発、販売は1974年（昭和49年）に行われ、1974年8月に三菱重工爆破事件が起きた際に「飛散防止フィルム」がテロ対策として有名になっていきました。
1978年（昭和53年）には宮城沖地震をきっかけに飛散防止フィルムが注目される事になり、1995年（平成7年）の阪神・淡路大震災の大災害を契機に建築用の窓ガラスフィルムの需要が伸びました。
最近では避難所になっている小学校や官公庁の建物など全国的に利用されています。

窓ガラスフィルムには、ペットボトルと同じ素材で作られた「ポリエステルフィルム」が多く使用されています。
ポリエステルフィルムは高い透明度と耐久性を持っている上、比較的薄くて軽量です。
そのため、窓ガラスにフィルムを貼っても視界の邪魔にならず、美観を損なうこともないため効果的に利用できます。
さらに窓ガラスフィルムは寸法の縮みが少なく安定しているだけではなく、熱や湿気に対しても耐性があるため長期間にわたって効果を維持することができる特徴を持っています。
また、窓ガラス用のフィルムは先ほど紹介した「ポリエステルフィルム」だけで作られているわけではなく、機能や用途に応じて金属の層など、とても薄いシートを何層にも重ねて作られており、表面はハードコーティングの層で耐久性を高める構造となっています。

窓ガラスフィルムには耐久年数はあるのでしょうか？出来れば長く使用したいですよね。
実は窓ガラスフィルムの耐久年数は、使用される「材質」「品質」「設置環境」などによって異なります。
一般的に、高品質なフィルムは「10年〜15年程度」と言われていますが、先ほども説明した通り設置環境にもよるため20年、30年と問題なく使用できる場合もあります。
窓ガラスフィルムを室内から貼り付ける「内貼り」にくらべると、建物の外側から窓ガラスフィルムを貼り付ける「外貼り」の場合は当然のことですが耐久年数が短く、およそ5年程度で交換しなければならない可能性はあるため貼り付ける場所には注意が必要です。
ただし、外貼りの場合でも出来るだけ長持ちさせるために環境に合わせた外貼り用のフィルムを適切に選ぶことでもう少し長持ちする可能性もあるため慎重に選びましょう。
環境の条件として「直射日光」「高温」「湿気」の多い場所では、窓ガラスフィルムの劣化が早まる傾向があります。
その他にも窓ガラスフィルムが頻繁に触れられる部分や、摩擦が生じる場所などでも耐久年数が短くなる可能性があるため注意しましょう。
もしも劣化した窓ガラスフィルムを使い続けた場合は、剝がれたり変色したりといったことで美観を損ねるだけでなく、本来の飛散防止や遮熱などの機能が低下してしまう危険性があるため、推奨されている「10年～15年程度」を目安に貼り換えを行うことをおすすめします。

窓ガラスフィルムの中でもシンプルかつスタンダードなフィルムです。
施工性が良く、特別な加工がされていないものはコストも比較的低いため、公共施設や学校などにも多く使用されています。

遮熱フィルムが持つ遮熱機能は、太陽の日射しが強い時期に日射熱を反射して遮熱効果を発揮し、寒い時期には暖房の赤外線を室内側に反射したり、フィルム自体に熱を伝わりにくくする加工を施す事で断熱効果が得られます。
また、遮熱フィルムに更にもう一層、断熱機能を加えたものが遮熱・断熱フィルムです。
冷暖房機具を補助する働きが期待できるため、冷暖房の効きにも好影響があり快適な空間造りだけではなく省エネにも繋がります。

空き巣などの侵入の手口で最も多いのが、道具を使い鍵付近のガラスを割り、手を入れて鍵を開けて侵入する方法です。
そのためガラスの破損・貫通を大幅に遅らせる厚手の防犯フィルムや貫通防止のフィルムを窓ガラス全体に貼ることが、有効な手段となるためおすすめです。

窓ガラスの外から見える景色が悪かったり、隣の家から部屋が丸見えになっている等、様々な悩みを持つ方も多いのではないでしょうか？
そんな時は室内の解放感を損なわず、部屋の明るさもそのままでプライバシー保護ができる目隠し効果のついた窓ガラスフィルムがおすすめです。

装飾デザインフィルムには和柄や色付きのもの、ライン模様など様々な種類があるだけではなく、貼るだけで部屋をおしゃれに変えてくれます。
デザイン性だけではなく目隠し効果もあるため、オフィスや店舗、医療施設や宿泊施設など様々な場所で使われています。

窓ガラスに貼るだけで抗ウイルス・抗菌効果を発揮する事ができるため、お子様がいる家庭などで、ウイルスや菌が心配な方におすすめの窓ガラスフィルムです。

液晶フィルムは、電気の力を使用することで「透明」にしたり「表面を曇らせたり」することができるだけではなく「映像を投影できる」ため、窓ガラスをスクリーンとして使用できるなど、さまざまな活用方法があります。
また、液晶フィルムに投射した画像や動画は、屋外からも見ることができるため工夫次第でいろいろな用途に使えます。