「オフィス」バイオフィリックデザインって何?色々増えるオフィスデザイン

【バイオフィリックデザインってどんなの?】

バイオフィリックデザインとは、自然の要素を建築や環境デザインに取り入れることで、人々の幸福感や生産性を向上させるデザインアプローチの事で、建築物や公共スペース、オフィス、住宅など様々な場所で採用されてます。
簡単にいうと「自然や生命を感じられるデザイン」のことで、1980年代にアメリカの研究者らによって提唱された、バイオフィリア(Biophilia)という概念に基づいています。
その効果として、ストレスの軽減、集中力の向上、健康へのプラスの影響、創造性の刺激などが報告されており、取り入れる企業も増えてきています。
環境の変化によるストレスや、従業員のコミュニケーション不足による生産性低下といった問題も表面化している中で注目されているのが「バイオフィリックデザイン」です。
バイオフィリアとは、「バイオ(bio)=生命・自然」と「フィリア(philia)=愛好・趣味」という言葉を組み合わせた造語です。
人間が本能的に持つ「自然とつながりたい」という欲求を指し、人間は草木や水の流れなどと触れ合うことで、幸せを感じるようにできている......という考え方だそうで、何となく共感できる方も多いのではないでしょうか。
つまり、建物に植物や水などを効果的に取り入れることで、幸福感を得ようというのがバイオフィリックデザインのコンセプトなのです。
もちろん、ただ幸せな気分になれるだけでなく、労働にもプラスの効果があることがわかっており、近年では多くのオフィスで取り入れられています。

【バイオフィリックデザインを取り入れるメリット・デメリット】

オフィスにおけるバイオフィリックデザインの効果の研究としては、イギリス・ランカスター大学のケイリー・クーパー博士と、ロバートソン・クーパー社が実施したものが有名です。
この研究によると、バイオフィリックデザインを取り入れたオフィスはそうでないオフィスに比べ、働く人の幸福度が15%、生産性が6%、創造性が15%向上したという結果が出たそうです。
では、バイオフィリックデザインを取り入れるメリット・デメリットを紹介します。

「メリット」

幸福度の向上があります。
自然に接しながら働くと従業員のストレスが軽減され、幸福度が向上し、仕事に対して「喜び」や「やりがい」を感じやすくなるのです。
職場が明るい雰囲気になるのはもちろん、健康増進や離職率の低下も期待できます。
幸福度が向上すると従業員のモチベーションが高まり、集中力・思考力・判断力などもアップし、コミュニケーションも活発になります。
結果として業務の質が向上し効率化も図られ、生産性が向上するのです。
これは企業の業績アップにつながります。
そして、自然を身近に感じられる環境にいると、想像力や思考力が豊かになり、柔軟な思考によって新しいアイディアを生み出しやすくなり創造性が向上します。
従業員のコミュニケーションを活性化し、新たな発想を助けてくれます。

「デメリット」

デメリットとして上げられるのは、やはりコストがかかってしまうことです。
オフィスにバイオフィリックデザインを導入するためにはオフィス環境を変える必要があったり、植物の維持費やメンテナンスの費用が持続的に必要となります。
オフィスの大きさによっては大幅にコストがかかるので注意が必要です。
その他にも、スペースの確保が必要植物には色々な種類があり大きいものから小さいものまで様々ですが、世話をしている内に大きく育っていくため圧迫感を感じたり、置き場所によってはスペースがない事で業務の邪魔になってしまいます。
また、道の幅を狭めてしまい動線の邪魔になってしまうなど、かえって業務のストレスになる可能性があるため充分なスペースを確保することが必要です。
また、避難経路などには植物を置かないように注意してください。
植物のメンテナンスが必要な植物を置いたままではすぐに枯れてしまい意味がありません。
植物を維持するためには種類により定期的に適切な水やりや土の交換、温度管理、掃除などお手入れをする必要があります。
また、世話をするための人が必要になるため業務が忙しいと誰も世話が出来なくなったり、規模が大きいと世話をする専用の人を雇うための人件費がかかることもあるため注意が必要です。

【バイオフィリックデザインを取り入れる方法】

バイオフィリックデザインを導入する際のポイントは、自然光・植物・水の3つです。これらを効果的に取り入れると、自然と調和したオフィスが生まれます。
比較的簡単に取り組める方法の1つが、卓上ポットの設置です。
空きスペースやデスクの上に設置するだけで、手軽に緑を取り入れることができます。
また、出社率の低下などによって空きスペースが生じているなら、「グリーンパーテーション」や「BOX プランター」を設置してみましょう。
これは植物を間仕切りとして使うというもので、パーテーションなどの設置工事を必要としない手軽さが魅力です。
ソーシャルディスタンスを確保するための動線作りや家具配置にも活用されています。
そして、より本格的にバイオフィリックデザインを取り入れたい時は、オフィス全体のレイアウト変更を行うのがおすすめです。
レイアウトや設備を根本的に見直せば、遮蔽物をなくして自然光を取り入れやすくしたり、噴水や水景設備を設置したりできます。
ただし、レイアウト変更では注意すべき点も少なくありません。
テナントの場合は、観葉植物や水景設備を設置しても問題ないかどうか、管理会社に確認を取る必要があります。
自社ビルであれば制限は少なくなりますが、使いやすい動線の確保は必須です。
工事をするなら、こういった点を考慮した設計をしてくれるプロに相談しましょう。

【本物の植物を設置する以外にも方法がある？】

オフィス内にたくさん植物を置くことが難しい場合は、本物の植物をオフィス内に置く以外にもバイオフィリックデザインを導入することはできます。
では、実際に植物以外にどんな方法があるのか簡単に紹介致します。

「窓から自然を見れるようにする」

オフィス内ではなく、外に植物をたくさん植えて窓から眺めるという方法でも自然光と緑の両方を感じることができ、癒し効果があります。
また、費用はかかりますがオフィスの窓を大きい物に変更したり1部をガラス張りにすることでより自然を感じることができます。
注意点としては、身近に植物があるわけではないため窓を開けることでしか匂いなどは感じられずオフィス内より効果は薄くなることです。
また、窓からの自然光が強いと逆に集中出来ないこともあるため窓を大きくする際は場所に気をつけましょう。

「自然の音や映像を流す」

プロジェクターやLEDビジョンなどを使用しデジタルバイオフィリックデザインを取り入れることもオススメです。
壁だけでなく、天窓や照明から映像を流すことが出来る機材を設置し、森や川などの映像や鳥のさえずりなどの音を流すことでも癒し効果があります。
注意点としては、人工的な音では効果が感じられないため流す音は本物に近い方が良いです。また、流す映像がチカチカしたり鳥の声が多すぎるなど音量のバランスに気をつけないと目障り、耳障りになってしまい仕事に支障が出てしまう可能性があるため、程よい音量と煩いと感じない程度の映像や鳥の声などを流すようにしましょう。

「アロマの香り」

ハーブや花、果物の香りといった様々なアロマの香りがありますが、こちらも自然に近い匂いのアロマを使用することで癒し効果が得られます。
場所によっては邪魔になったり落としてしまうかもと心配になるかもしれません。
その際は、ディフューザーやアロマストーン等を置く専用の場所がある机をオーダーメイドするのもオススメです。
注意点としては、ディフューザーやアロマストーンの管理が必要であることや人によっては苦手な香りがあるため確認する必要があります。

「フェイクグリーンをとりいれる」

本物の植物は管理が大変だと感じる場合、定期的なメンテナンスは必要なく掃除や経年劣化した際の交換のみなので本物そっくりのフェイクグリーンを取り入れることでも癒し効果があります。フェイクグリーンはグリーンパーティションに活用したり活用方法が色々あるためオススメです。
注意点としては、明らかに作り物だと分かるフェイクグリーンでは効果が薄まるため、できるだけ本物そっくりの物を置くようにしましょう。

【まとめ】

いかがだったでしょうか？
様々なバイオフィリックデザインをオフィスに導入して五感を刺激し癒される快適なオフィスで過ごしてみませんか？

弊社は墨田区、江東区、中央区を中心に関東全域でオーダーメイド家具の製造やリノベーション工事・新築の内装工事を生業としています。
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