個室を除く、玄関、リビング、浴室、キッチン、ダイニングなどを共有するといった間取りの二世帯住宅です。
親世帯と子世帯が同じ場所で生活するため、家族みんなで賑やかに過ごせることがメリットでしょう。
また、子どもの世話や家事の手伝いをして欲しい人だけでなく、親世代の生活をサポートしたい家族には合うスタイルです。
ただ、完全同居型の場合は、お姑さんとお嫁さんとの関係性の構築がとても大切です。コミュニケーションが不足し関係が悪化することで、お互いが気を遣いながら生活をすることもあるでしょう。
脱衣所で他の方と鉢合わせしないよう、脱衣所と洗面所を分けた設計にするなどの工夫をするのもおすすめです。
日中を過ごす際に、空間が重なるため二世帯で共有する時間が多くなるため、広いリビングを設けて、2人以上が立てる広いキッチンを選ぶことも多いです。
完全同居型の二世帯住宅は、普通の一戸建てと同じくらいの建築費で建てることが可能で、あまり特殊な間取りではないため、他のパターンよりも比較的売却しやすいのがメリットです。

住宅の一部を共有し、他は独立させるタイプの二世帯住宅です。「玄関のみ共有」「キッチンとリビングのみ共有」など、家族構成や生活スタイルによって、様々な間取りのバリエーションが考えられます。
特に人気があるのが、キッチンダイニングをそれぞれが持ち、ある程度お互いが自由に生活できる家の形です。各世帯のみの独立したエリアが存在するため、ある程度プライバシーを保つことが可能です。
ただ、部分的に独立しているとはいえ、浴室を使用している際の水音や、室内を歩くときの足音がお互いの寝室に響かないよう配慮した間取りにすることをおすすめします。
また、キッチンや浴室などの水回りを２つ作ると、そのぶん建設コストが割高になります。
逆に共用する部分を多くすれば、建設コストを抑えることが可能なため、ほどよく共有していき、ほどよく独立させることがポイントです。

キッチン・リビング・玄関などを完全に独立させた間取りの二世帯住宅です。
壁で世帯を分けてプライバシーを守りながら、各々のペースで生活が可能です。
近すぎず遠すぎず、ほどよい距離感を保てるため安心感があり、「近居」に近い感覚となります。
配置は、1・2階上下に分離する方法と左右に分離する2パターンがありますが、近年では、親世代を1階にし、介護を見据えたバリアフリーにするパターンが多いです。
また、「完全分離型」は「完全同居型」や「部分共有型」よりも最も建築費が高めになります。
ただ、立地に恵まれていると、将来的に親世帯が住まなくなった部分を貸して副収入を得ることも可能になります。
また、共有部分が比較的少ないため、世帯同士で積極的にコミュニケーションをとるなどの工夫をすることが大切です。
庭や窓などからお互いの気配が感じられる間取りにしたり、どちらかの世帯に、広いリビングを設けて、誕生日などのイベントの時に集まりやすくするなどの工夫をするのがよりオススメです。
間取りにはデメリットも多いため、後悔したという声も少なくないのが二世帯住宅です。
失敗しないためのポイントは、住む人全員が二世帯住宅のメリットとデメリットをしっかり把握し話し合った上で同居することをオススメします。

二世帯住宅でよく注目されているのが「コストカット」になることです。
一世帯住宅を建てる場合に比べると、広い土地が必要となり、家自体も大きめにする必要があります。
ただ、親世帯と子世帯それぞれ2軒分の土地を手に入れてそれぞれに注文住宅を建てるとなると、二世帯住宅よりも建築費用が高くなります。
また、二世帯住宅にすると、住宅のデザインや設備などより良い家に仕上げていくことも可能です。
また、二世帯住宅だと、一つ屋根の下で親世代と子世帯が一緒に暮らすことになるため、家族付き合いのコミュニケーションの機会が増えていきます。
仲の良い家族の場合は、より良い暮らしを実現でき、場合によっては、親世帯が子育てや家事に協力してくれるため、負担を軽減することが可能です。

二世帯住宅は、リビングやキッチン、洗面所や玄関など、個室以外のスペースを共用している「完全同居型」の場合、光熱費の分担がとても難しいです。
特に電気メーターを一つにまとめていると、どっちの世帯がどれだけ使用しているか分かりにくくなります。
また夫婦どちらかの親世帯と暮らしているため、自分の友人を気兼ねなく誘って過ごすことは難しいでしょう。
友人を招き入れたい場合は、予め 想定した上で二世帯住宅を建てるのがいいでしょう。