中古の一戸建てをリノベーションする魅力は、なんといってもコストパフォーマンスになります。
同じ条件で新築を購入する費用と中古を購入してリノベーションする場合の費用を比較すると、新築を購入するよりも中古を購入してリノベーションをする費用の方が建築部分の価格を抑えられるため、約20%～30%程安くすることができ、理想的な条件を満たした住宅を安く手に入れることができます。
また、新築の戸建やマンションの市場価格は、新築後、約15年間で大きく下降していき、その後は、景気に応じて緩やかに上下していきます。
そのため、築20年以上の戸建やマンションを購入することで、購入後の市場価格が大きく下降するリスクを避けることができ、購入費用を大幅に抑えることができます。
そうすることで、コストをリノベーションに割り振ることが可能になります。

リノベーションは、自分のニーズに応じて自由に自分らしさを表現することができます。
住まいに対するイメージは、人それぞれ異なるため、間仕切りのない広々としたリビングにしたり、システムキッチンを設置したりなど、自分たちの理想を詰めていくと既存の住まいではすることができない、世界でたった１つしかない住まいを作ることができます。
また、既存マンションや建売住宅だと、どれも似たような無難な内装になっていることが多いため、内装に強くこだわりがあったり、自分好みの理想の内装を選びたいという方にはリノベーションが特におすすめです。

都心でアクセスが良い立地などは、競争率の高さから、なかなか新築の物件を見つけることが難しいです。
募集をかけられていても、じっくり検討している間に買い手が見つかってしまうこともあります。
しかし、中古市場に目を向けると、新築の物件よりも選択肢の幅が大きく広がります。
また、新築よりも流通量が多くなるため、理想の立地条件を満たした物件が見つかりやすくなります。

不動産を購入する際に気になるのが資産価値かと思います。
いつか売却を考えている方にとってはとても重要になります。
築年数が浅ければ浅いほど資産価値はあると思われがちですが、実は値下がりのリスクは新築の方が高いです。
実は、新築購入額には売主の利益が上乗せされていることが多く、当然その費用は適正市場価格には含まれていません。
だから新築は購入後の値下がり率が高いのです。
それに比べて中古の戸建てだと、前項で述べたように、好立地な環境にあることが多いため、多少築年数が経過しても大きく資産価値が変動することはありません。
もちろん、建物が古くなればなるほど価格は下がりますが、値下がり率は新築に比べると緩やかな下降といえます。

戸建てリノベーションはマンションのリノベーションと比べると費用が高くなってしまいます。
建てられてから結構な年月が経過している中古戸建て住宅は、耐震性や断熱性が現在の住宅よりも劣っている場合があります。
その場合、耐震・断熱の補強や構造面などの補強工事、さらに外観の工事を加えてしまうと、注文住宅や新築戸建てと変わらないくらいの費用になる可能性がありますので気を付けましょう。
断熱性能が低いと光熱費がかかってしまい、ヒートショックによる健康被害も懸念すべき点です。
耐震性では、木造戸建住宅の場合、1981年に【新耐震基準】が施行され、2000年にも建築基準法の大きな改正がありました。
端的に言えば、1981年以前に建てられた木造戸建住宅は耐震性に問題がある可能性が高いです。
中古戸建をリノベーションする前に断熱性能と耐震性の診断をすることをおすすめします。

戸建てのリノベーションをする際に重要になってくるのが工法です。
物件の構造によってはリノベーションが向いているか、向いていないかがありますので、それぞれの特徴を理解することが必要です。
一般的に一戸建てでは、在来工法（木造軸組工法）と呼ばれる柱や梁で建物を支えている構造が多く、この工法は間取りの変更がしやすくなっているため、リノベーションに向いているといえるでしょう。
一方で、壁と枠組みで建物を支えている2×4（ツーバイフォー）工法は壁を抜くことができないので、間取りの変更がむずかしく、リノベーションに向いていないといえます。
しかし、壁式工法は木造に比べると耐震性に優れており、耐震の補強が必要ないケースがあるので間取りを変更する必要がない場合はおすすめです。

中古の戸建やマンションをそのまま購入した場合は、物件の購入後に引き渡しが行われて住むのが一般的です。
しかし、リノベーションを行う場合には引き渡しまでの間に建物検査や設計、施行などの作業が加わりますので、入居までに最低3か月以上かかります。
こだわりが強い方は、建築士との打ち合わせを十分に行う必要があり、理想の住まいにするために妥協をしないのなら、入居までの期間がさらに延びるので、そのあいだの仮住まいでの費用が余計にかかってしまう点は注意しましょう。

中古戸建てのリノベーションでは、想定外の出費によって予算がオーバーになり、後悔するという例が多々あります。
追加工事が必要になったりなどでリノベーションのグレードを落とすことになり、妥協してしまう前にしっかりと事前に計画を立て、予算ぎりぎりまで理想を詰め込むのではなく、優先順位を決めておきましょう。リノベーションのプロに相談するのも重要です。

設計の前段階で実際の生活をイメージして、しっかりと確認しておかないと入居後にさまざまな後悔が出てきます。
コンセント・照明の位置、収納スペースの数が足りないなどといった事態が発生する前に、プランニング時、設計担当者に任せきりじゃなく自身でも確認しておきましょう。
暮らしやすい間取りや生活導線は人によってさまざまです。
生活スタイルにあった間取りにすることが大切なので、中古戸建を購入前にショールームなどで確認すると、よりイメージがしやすくなるでしょう。

イメージしていた仕上がりと違っていたという事例は、中古戸建のリノベーションによくあります。
業者の知名度、口コミ、値段だけでリノベーション会社を決めてしまうと肝心のデザインがおろそかになる場合もあり、施工業者とのイメージの違いやカタログと現物の間取りの違いだったりと、原因はさまざまにあります。
対策としては、リノベーション会社が過去に請け負ったリノベーション事例を確認して、理想のイメージに近い施工を行っている会社を選ぶようにしたり、希望を伝えるときに、写真や動画などの参考になるものと一緒に説明をするなどもいいでしょう。
出来上がりの家が近隣住宅とミスマッチしていることを避けるために、周辺住宅の外壁の色や雰囲気を事前に調べておくことも重要です。
理想の家に近づけるために、設計図や工事の進捗を確認し、少しでも気になることがあれば伝えましょう。